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集団的エンゲージメント

昨年10月に、企業年金連合会と大手金融機関4社が連携して、新しく設立された一般社団法人機関投資家協働対話フォーラムを通じて、集団的エンゲージメントを開始した。また、本年、生命保険会社10社が、投資先企業との対話強化のために連携を開始する。欧米では、すでに普及しつつある集団的エンゲージメントであるが、日本でも徐々に浸透し始めてきている。

集団的エンゲージメントには、様々な利点が考えられる。最も期待される効果は、アセットオーナー(年金や保険会社)やアセットマネージャー(運用会社)を問わず、少数株主の意見を吸い上げることができることである。少数株主単独では、こうした意見を投資先企業に提案することは難しい。こうした少数株主の意見は、他の集団的エンゲージメントのメンバーも、アイデアを共有できることから、大きなメリットを得られる。また、集団で議論することによって、投資先企業改善について新しい提案が出てくる可能性もある。もちろん、こうした提案は、投資先企業にとってもメリットになる。

ただ一方で、大きな課題も認識され始めてきている。たとえば、集団的エンゲージメントのメンバーが、どこまで情報を共有できるか、企業とのミーティングでの意見交換の範囲はどこまでか、議決権行使との関係はどうか等々、様々な金融商品取引法等に関した法的な問題が顕在化してきている。投資家は、こうした法的問題の専門家ではないため、法律関係者や規制当局等のサポートが必要になる。したがって、将来、集団的エンゲージメントに関するガイドラインが定められることが期待される。また、法曹界での議論の深まりも重要である。本年2月に、谷口達哉弁護士による「集団的エンゲージメントに関する金融商品取引法上の諸論点」(商事法務No.2158、p15-21)が発表された。こうした議論が今後数多く出てくることによって、投資家は、積極的に集団的エンゲージメントを遂行することができる。

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