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日本企業の企業不祥事とペナルティ

昨今、日本の伝統的な大企業において、数々の不正が発覚していている。その不正の多くは、長い間組織的に行われてきたものである。企業不祥事には二つのタイプがある。一つは、個人が自らの利益のために不正を行う個人型不正であり、会社のお金を流用したり、企業秘密を悪用するなどといったことである。もう一つは、個人の利益ではなく、会社のために行う組織型不正である。現在発覚している大企業の不正は、後者になる。
不正が発覚した場合のペナルティは、個人型不正の場合、懲戒免職や訴訟といったことになる。一方、組織型不正の場合、組織としてぺナルティを受けることになる。典型的な例は、管轄役員の引責や関連役員の報酬の返上等である。この場合、不正を行った当事者と関連した者が全体責任をとるといったことになる。個人の立場から言えば、個人的不正は大きなペナルティが待っているが、組織的不正はペナルティが相対的に小さい。個人の利益のためにやったことと、組織のためにやったことでは、大きな差があることになる。ただし、これは、明らかに会社組織からの視点である。
しかし、社会という視点、あるいは会社の外からの視点からは、個人型不正も組織型不正もまったく変わりはない。社員が自社のお金を窃盗するよりも、会社が不適切な製品を販売するほうが、社会にとっては大きな問題である。組織的不正も、結局は、個々人で行われている。この個人が、社会のルールよりも会社の中の慣習を重視してしまうことに大きな問題がある。したがって、社会という視点からは、ペナルティは個人型不正も組織型不正も同じであるべきである。
もちろん、組織型不正の場合、個人は、上司からの指示を受けて、あるいはその意思を忖度して、不正に手を染めることになる。したがって、被害者の側面があることは確かである。終身雇用の中で、不正に反対して退職することは、大きなリスクが伴う。しかし、だからといって不正を行って良いというわけではない。指示を出した上司だけでなく、実行した者も責任は重い。昨今の企業不祥事の解決には、個人が、会社人であることよりも、社会人であることを優先することが重要であると考えられる。

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