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企業不祥事と社員のプロフェッショナル化

東芝や神戸製鋼など、日本を代表する大企業で不祥事が続いている。こうした不祥事の背景には、日本の大企業の伝統的な雇用形態に問題があるように思われる。日本の大企業の多くは、新卒一括採用、終身雇用、人事ローテーションを基本としている。新卒で入社する場合、どのような仕事をするかではなく、その企業の一員になることが求められるとともに、新入社員もそれを心得ている。
海外の企業は、基本的には、プロフェッショナル採用である。営業、人事、経理などのプロして採用され、その後のキャリアもその専門性の中で積み上げられていく。基本的には、人事ローテーションはない。また、転職はしても、その仕事内容は変わらない。日本企業では、研究開発や技術系を除けば、人事ローテーションで、様々な業種を経験することになる。もちろん、日本の人事システムでは、プロフェッショナルとしてのスキルはつかないというマイナス面がある一方、長い間社員の多くが幹部候補としてのチャンスを持つことから、会社への忠誠心は高まる。
日本企業と海外企業、どちらの人事システムが良いかとは、一概には言えないが、この企業不祥事に関しては、日本のシステムに問題があるように思われる。日本の大企業では、社員は会社という共同体の一員になり、共同体への忠誠が何よりも優先される。上司から、不正行為を支持されたら、断りづらい。断ることによって、共同体から村八分にされることを何よりも恐れるからだ。その結果、上司から直接不正を指示されなくても、上司の考えを忖度して、自ら進んで不正に手を染めることも考えられる。共同体の中の空気が、共同体の外、すなわち社会のルールよりも優先されることになる。共同体にいかに同化するかが昇進の条件となるため、日々そのことに精進する。その結果、社会一般(共同体の外)での倫理観が麻痺してしまう。
海外企業のようなプロフェッショナル化が、日本企業でも導入されるようになれば、状況は改善するように思われる。プロフェッショナルの目標は、自らの仕事へ忠誠であって、会社へのものではない。万一、不正を行った場合、プロフェッショナルとしてのキャリア終わってしまう。したがって、もし上司から不正を行うよう指示されたら、迷わず退社するであろう。トップマネジメントがいかに不正を行おうとしても、その意を汲む社員がいなければ、企業不祥事の数は減るように思われる。

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